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松橋 信平; 花岡 宏史*; 高崎 浩司; 箱田 照幸; 遠藤 啓吾*; 石岡 典子
no journal, ,
RI標識薬剤の開発に不可欠なRI標識化合物のマウス体内の空間分布を、イメージングプレートを使って深さ方向の情報を併せ持つ投影画像としてイメージングするための手法開発を試みた。密封線源を用いたモデル計測,放射線輸送コードを用いたシミュレーションなどにより、手法開発の基礎となるデータ取得と解析を行った結果について報告する。
望月 出海; 深谷 有喜; 河裾 厚男
no journal, ,
Ge(001)表面にサブモノレイヤーのPtを吸着させると、欠陥なしにサブミクロンの長さに達する一次元原子鎖構造が形成する。この原子鎖は、約80Kを境にパイエルス転移を起こす可能性が報告されるが、表面の原子配置と相転移により生じる原子変位については未だ解明されていない。これまでに反射高速陽電子回折(RHEPD)法を用いた一波条件のロッキング曲線の解析から、原子配置の高さ方向に関して、Vanpoucke氏らが提案したNanowire(NW)モデルで説明できることを示してきた。さらに彼らはPt被覆率の異なる複数のNWモデルを提案し、表面相転移がPt被覆率の変化に由来すると主張している。そこで本研究では、多波条件のRHEPD構造解析により、Pt/Ge(001)表面の正確な原子配置やPt被覆率を決定し、解析により得られた構造モデルをもとに相転移前後の構造変化について調べた。多波条件のロッキング曲線と、Pt被覆率の異なる3つのNWモデル(0.75ML, 0.8125ML, 0.875ML)を用いて動力学計算した曲線の比較より、Pt被覆率が大きな2つのモデルでは全反射領域や視射角2.5度付近の曲線形状を再現できないのに対して、0.75MLは実験を良く再現した。したがって、Pt被覆率0.75MLのNWモデルが構造モデルとして妥当であることがわかった。また約80Kを境に起こる相転移前後でのロッキング曲線の比較は、Pt被覆率の変化ではなく、最表面Geダイマー原子間に高さ差が生じる変位型の構造相転移を示唆している。
河裾 厚男; 前川 雅樹; 深谷 有喜; 薮内 敦; 望月 出海
no journal, ,
われわれは、高いスピン偏極率を持つ陽電子線源(Ge-Ga)を開発するとともに、この線源を用いたスピン偏極陽電子ビーム開発と各種磁性材料の先行研究を行っている。これまで、室温で強磁性を示すFe, Co, Ni及びGdについて、ドップラー拡がりスペクトルが磁場反転非対称性を示すことや、その度合が有効磁化に比例することを見いだしている。今回、これらの磁場反転非対称性の磁場依存性と温度依存性を調べた。その結果、FeとCoについては、それらのドップラー拡がりスペクトルが磁化曲線に似たヒステリシス挙動を示すことが見いだされた。NiとGdについては、Fe及びCoとは異なる磁場依存性が観測された。上の差異は、バンドのゼーマン分裂幅、及び、バンド構造に起因すると考えられる。磁場反転非対称性強度の温度依存性については、Fe, Co及びNiのいずれも5-296Kの温度範囲で一定であった。一方、Gdについては200K以上で磁場反転非対称性強度が減少することが知られた。これらの結果は、強磁性転移温度(Fe:1040K, Co:1395K, Ni:628K, Gd:288K)に基づき説明できると思われる。
鈴井 伸郎; 山崎 治明; 石井 里美; 河地 有木; 藤巻 秀
no journal, ,
Zn及びCd(半減期:6.5時間)を用いてポジトロンイメージングを行い、植物体内における亜鉛とカドミウムの動態を比較した。まず、異なるキャリア濃度のトレーサー溶液を投与した際の動画像から、亜鉛とカドミウムの吸収過程における基質特異性(Km)を算出したところ、両元素において大きな違いは見られなかった。次に、投与したZn及びCdの根における存在量の経時変化について、詳細な解析を行った。その結果、Znの根における存在量は3時間をピークに達し、その後に減少していくのに対し、Cdの根における存在量は3時間の間に急速に増加した後も、徐々にではあるがさらに増加することが確認された。これは根から吸収された元素が導管へ積み込まれるまでの過程において、亜鉛とカドミウムで異なっていることを示唆するものであり、特に根の細胞内の液胞に隔離される量に大きな違いがあると考察した。
山崎 治明; 鈴井 伸郎; 河地 有木; 石井 里美; 島田 浩章*; 藤巻 秀
no journal, ,
本研究では、ポジトロンイメージング技術(PETIS)を用いて、局所冷却による光合成産物の動態変化を解析することで、光合成産物の分配機構を解明することを目的とした。COをダイズの地上部に投与し、C-光合成産物が植物体内を移行する様子を、PETISを用いて120分間撮像した。次に、十分にC(半減期:20分)の減衰を待ったのち、地上部と根の境目を冷却し、同じ条件でCOの投与,撮像を行った。そして、得られた動画像をもとに光合成産物の移行速度、及びソース器官における光合成産物の送り出し、シンク器官への光合成産物の分配を比較した。その結果、局所冷却処理により、根に向かう光合成産物の移行速度が半分以下にまで遅くなったことを確認した。ソース器官における光合成産物の送り出しを比較したところ、すべての成熟葉で光合成産物の送り出しが抑制されていたが、一部では抑制の度合いが比較的小さかった。一方、シンク器官への分配を調べたところ、根での光合成産物の移行量は77%減少していたものの、茎頂部への移行量は15%の増加に留まっていた。以上の結果より、光合成産物の分配は葉の中で既に細分化されている可能性が示唆された。
前川 雅樹; 河裾 厚男; 深谷 有喜; 薮内 敦; 望月 出海
no journal, ,
われわれは、スピン偏極陽電子による磁性体材料への陽電子消滅法適用を目指し、高スピン偏極陽電子ビームの開発を目指している。これまで、GaNターゲットへのプロトンビーム照射によりGe線源の生成に成功している。現在までに蓄積された約150MBqの線源を用い、スピン偏極低速陽電子ビームの発生を試みた。タングステンメッシュ減速材と静電輸送方式を用いることで、低速陽電子ビームの発生を確認した。これまでに、およそ5mm程度のスピン偏極陽電子ビームが得られている。今後は、ビームのスピン偏極率の測定及びビームラインの延長を予定しており、現在その準備を進めている。
深谷 有喜; 前川 雅樹; 和田 健*; 兵頭 俊夫*; 河裾 厚男
no journal, ,
反射高速陽電子回折(RHEPD)法は、10-20keVのエネルギーの陽電子ビームを物質表面に低角度で入射させ、回折した陽電子の強度分布を観測する手法である。RHEPDでは、陽電子がプラスの電荷を持つことにより、最表面で全反射回折を起こすことが最大の特徴である。この全反射回折を利用すると、最表面の原子配列や熱振動状態をバルクの影響なしに知ることができる。この有用性を実証するために、われわれはNa陽電子線源を用いてRHEPD装置の開発を行ってきた。本研究の目的は、高エネルギー加速器研究機構の低速陽電子実験施設において、高輝度の陽電子ビームを用いたRHEPD実験を行うことである。従来の線源を用いたRHEPD実験では困難であった、表面超構造による微弱な回折スポットを観測することにより、表面原子配置の詳細な決定や表面相転移の研究を行う。本研究では、低速陽電子実験施設の実験ステーションに自作したビームポートを接続し、ガイド磁場から解放された陽電子ビームの特性評価を行った。その後、ビームポートに超高真空チャンバーを設置し、回折パターンの観察とロッキング曲線の測定を行った。Si(111)-77表面からのRHEPDパターン観察においては、77超構造に付随する多数の分数次スポットを観察することができた。さらに、ロッキング曲線の測定においては、強度のばらつきが非常に小さく、高次のブラッグピークも明瞭に現れた。
薮内 敦; 前川 雅樹; 河裾 厚男
no journal, ,
原子炉内の高温水中で発生する応力腐食割れ(SCC)の亀裂進展は亀裂先端部の結晶粒界への原子空孔の流入と、それに伴う粒界自由体積の増大に起因する粒界結合力の低下により誘発されているのではないかという説が近年提唱されている。本研究ではSCCを引き起こす3因子である鋭敏化熱処理・腐食処理・引張変形の各処理がSUS304鋼への空孔型欠陥導入に与える効果及びそのような空孔型欠陥の熱安定性について調べた。その結果、腐食処理試料では空孔型欠陥の存在を示唆する消滅線ピーク強度の増大が観測されたのは表面から12nmまでの領域のみであった。一方、引張変形試料,鋭敏化試料,電子線照射試料では線ピーク強度の増大が観測された。電子線照射試料では177ps(強度78%)の陽電子寿命成分が観測されたことから単原子サイズの空孔が導入されていることが確認された。引張変形試料,鋭敏化試料,電子線照射試料を等時焼鈍した結果、これら3つの試料中の欠陥は200-400Cの同様の温度域で回復することが見いだされた。これは3つの試料に含まれる欠陥種が同一であることを意味している。またこれらの空孔は軽水炉運転温度で移動可能であることが示された。
山下 真一; 勝村 庸介; 広石 大介*; 村上 健*
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水の放射線分解で生成する水素分子(H)の収率(値)は、軽水炉の水質管理など原子力分野の安全管理で重要なほか、放射線誘起化学変化の初期過程とも深く関連し、荷電粒子のエネルギー付与の空間分布やトラック内ダイナミクスを知るうえで必要な知見と言える。このHの収率をオンラインで測定する装置を製作し、線照射時のH収率測定を実施した。オンラインであることに付随する配管上の問題点を改善することにより、感度及び精度を向上させ、線では50Gy程度の照射で生じるHを定量することに成功した。これまでの報告されているHの収率と本研究での測定結果との比較から、装置のパフォーマンスが妥当であることも確認された。
鈴木 漠*; 山下 真一; 勝村 庸介
no journal, ,
加圧水型原子炉では、冷却水にホウ酸を入れて炉内熱中性子を捕獲させることで反応を制御している。炉内では燃料の核反応に伴う放射線だけでなく、ホウ素(B)による中性子捕獲で発生する線なども水を分解し、反応性の高いさまざまな水分解生成物ができる。原子炉内の材料の健全性維持や安全確保のためには炉内水環境を包括的に理解する必要があり、ホウ素中性子捕獲で生じる放射線の影響評価も欠かせない。そこで、中性子を捕獲するホウ素が化合物としてどのような挙動を放射線場において示すか、ホウ酸を添加した水溶液で調べた。この際、十分理解されているフリッケ線量計を照射試料に用い、最終生成物であるFeの収率を線照射に対して吸光分析により決定した。ホウ酸の有無によるFe収率の比較した結果、ホウ酸が水の放射線分解反応に与える影響はフリッケ線量計において無視できることがわかった。
Lin, M.; 室屋 裕佐*; 勝村 庸介*; Archirel, P.*; Van-Oanh, N. T.*; Fu, H.*; Yan, Y.*; 永石 隆二; 熊谷 友多; Mostafavi, M.*
no journal, ,
パルスラジオリシス法により水溶液中のBrとBrの吸収スペクトルの温度依存性を室温から380Cまでの温度領域で測定した。BrとBrの吸収スペクトルの温度依存性は小さく、これらの遷移は結合状態間のものであることがわかった。また、Brの水和構造について20と300C, 25MPaのもとで古典的な量子計算を行った結果、温度によらず第一水和圏の水分子は陰イオンに強く結合していることがわかった。さらに、時間依存密度汎関数法によって二つの温度でのBrの水和イオンの吸収スペクトルを計算して、実験結果と比較した。
渡辺 智; 渡邉 茂樹; 飯田 靖彦*; 花岡 宏史*; 遠藤 啓吾*; 石岡 典子
no journal, ,
現在PET診断に用いられている核種は半減期が2時間以下と短いため、抗体のような集積が遅い薬剤には使えず、また、サイクロトロンの併設を必要とする。これを解決するために、本研究では新規ポジトロン放出核種として半減期が16.2時間のBrの製造法の開発を行った。セレン化銅をターゲットとし、Se(p,n) Br反応を用い、原子力機構のTIARA-AVFサイクロトロンからの20MeV, Hビームで照射をしてBrを製造した。ターゲットからのBrの分離には乾式蒸留法を用いた。この乾式蒸留法において、ターゲットの保持材として石英ボートからタングステン板に換えることにより、ターゲットの再照射・再分離を可能にした。また、乾式蒸留法における電気炉の温度を検討した結果、30%程度の回収率を約80%にまで向上させることに成功した。現在では安定的にBrの製造が行えるようになっている。
渡邉 茂樹; 津久井 匠隆; 花岡 宏史*; 山田 圭一*; 大島 康宏; 飯田 靖彦*; 遠藤 啓吾*; 石岡 典子
no journal, ,
抗がん作用や抗菌作用を示す生理活性物質は、創薬におけるリード化合物となる。Sansalvamide A(SA)は、構造中にエステル結合を有する海洋真菌類由来の環状デプシペプチドで、大腸がん細胞に対して高い細胞毒性を示すことから、抗がん剤開発のリード化合物として注目されている。これまでわれわれは、フェニルアラニン側鎖にヨウ素を導入したSA誘導体を開発し、この化合物が悪性度の高い乳がん細胞MD-MBA-231に対して高い細胞障害活性を示すことを明らかにしてきた。そこで、本研究ではI-SAの生体内における動態を解明するために、Iを導入したI-SAを合成し、ノーマルマウスにおける体内分布を明らかにすることとした。
平出 哲也; 岡 壽崇; 森下 憲雄*; 出崎 亮; 島田 明彦
no journal, ,
従来、高分子材料の微視的な自由体積評価は、陽電子と電子の結合状態であるポジトロニウムの中でスピンが三重項状態にある、オルソーポジトロニウムの寿命を用いて評価されてきた。われわれは、ポジトロニウムが形成されないポリイミドであるカプトンの微視的な自由体積評価を、自由陽電子の消滅寿命により行うことが可能であることを示してきており、今回、カプトンの電子線と線照射による放射線照射効果を評価することを試みた。電子線照射の場合、架橋が支配的であり、一方、大気中での線照射効果では、架橋とともに分子鎖切断が多く起こると考えられる。過程が単純な電子線照射では自由体積変化と特性変化が同じ挙動を示し、劣化評価に適用できるが、線照射では二つの過程があり、複雑な挙動を示すことがわかった。
菊地 正博; 亀谷 宏美*; 下山 雄平; 等々力 節子*; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦
no journal, ,
食品照射技術の普及のためには、照射の有無が適切に表示され、消費者の食品選択の自由が保証されることが必要であり、そのために検知法が重要となる。ESR検知法では、検知可能期間の長短は照射誘導ラジカルの残存期間に依存する。ラジカルの安定性は不対電子の相互作用の程度に関係していると考えられるため、ラジカルの緩和時間(T, T)をパルスESR装置で直接測定する方法を開発して、緩和時間と吸収線量の関係について検討した。その結果、照射糖類で測定された緩和時間Tは線量が変化してもほぼ一定だったが、緩和時間Tは線量が増えるにつれて減少した。一方、照射食品中の不対電子の緩和時間Tは線量に関係なくほぼ一定であり、緩和時間Tは線量増加とともに増加する傾向があった。この緩和時間の線量応答変化は、照射誘起ラジカルの残存密度と分子安定化のコンフォメーション変化が関係している可能性がある。
貝森 良彦; 坂本 侑輝*; 中村 秀夫*; 菊地 正博; 鵜飼 光子*; 下山 雄平; 小林 泰彦
no journal, ,
食品照射技術の普及のためには、食品中に生成される放射線誘導ラジカルについて、照射直後のラジカルの確認とその減衰挙動を明らかにしておく必要がある。そこで、電子スピン共鳴分光(ESR)法を用いて線照射直後からのラジカル信号を観測し、線量の違いによりラジカルの挙動に変化はあるのか、また食品試料の違いによりラジカルの挙動に変化はあるのかについて検討した。その結果、ラジカル信号強度は照射直後から時間経過に伴い急激に減衰した。ラジカル減衰挙動が2相に分かれることから、少なくとも2種類のラジカルの存在が示唆された。照射後3時間程度ですべての検体で安定なラジカル成分のみが観測されるようになった。
古川 純*; 岩田 佳晃*; 鈴井 伸郎; 石井 里美; 河地 有木; 山崎 治明; 藤巻 秀; 佐藤 忍*
no journal, ,
亜鉛集積機構の解明を目的として、マメ科のモデル植物であり、先行研究から主要実験系統であるMiyakojimaとGifuで亜鉛集積に系統間差があることが知られているミヤコグサ()を用いて亜鉛集積・輸送特性をリアルタイムイメージングの手法により解析するとともに、それを司るQTLの解析を行った。実験には、Miyakojima及びGifuと、それらをかけ合わせ、分子マーカーにより遺伝子型が決定された組換え自殖系統を用いた。生育1か月のMiyakojimaとGifuの非放射性亜鉛の集積濃度を比較すると、根・茎・葉のすべてでGifuが高濃度に亜鉛を蓄積していた。同時期の植物体にZnを吸収させ、ガンマカウンタ, オートラジオグラフィ並びにPETIS法を用いて解析を行ったところ、Gifuの地上部への亜鉛輸送活性がMiyakojimaよりも高いことが示された。また、組換え自殖系統の亜鉛集積を地上部に蓄積されたZn量から解析したところ、亜鉛集積にかかわる複数のQTL領域が得られた。それぞれのQTL領域による地上部への亜鉛輸送や集積に対する影響を解析するため、QTL領域の遺伝子型が異なる組換え自殖系統を選抜し、亜鉛の吸収・輸送をオートラジオグラフィ並びにPETIS法を用いて比較したところ、根, 地上部、あるいは根と地上部の両方に高濃度の亜鉛を蓄積している系統が得られた。